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ぶどう作りの「表の年」と「裏の年」のこと【社長日記】

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ぶどうの樹の「表の年」と「裏の年」

こんにちは! やまふじぶどう園の4代目・山藤智子です。

「去年は『裏の年』だったから、今年は『表の年』だね。」ぶどう園ではこんな会話が飛び交います。ぶどうは植物であり、生き物。だからこそ、前の年に頑張っていいぶどうを実らせた樹は、その翌年はちょっと疲れてひと休み。そして、一年休んで元気を取り戻したぶどうは、また次の年にいいぶどうの実をつける。その年の気候の良し悪しとは別に、そんなふうなサイクルがあるんです。

これは、私が考えた言葉ではなくて、果樹栽培の現場ではむかしむかしから言われてきたこと。先人たちは、昔からこのような自然のサイクルに沿ってぶどうをはじめとした果樹を栽培してきたんですね。

 

「表の年」と「裏の年」とワインの味わい

「表の年」に採れたぶどうからは、とてもおいしいワインができあがります。一方で、「裏の年」だからワインがダメかというと、それもまた一概に言えないのも面白いところ。そういう年のぶどうはロゼにしたり軽めに仕上げてみたりすると、おいしいワインになるんです。

なので、ホーライサンワイナリーに限らず、どこかひとつのワイナリーを気に入ったら毎年飲んでみると楽しいと思います。表の年からできたパワフルなワインもおいしいし、裏の年にできた静かなワインもまた良し。そのなかで「去年のワインはおいしかったね〜」みたいに会話が弾んだら楽しいですよね。ワイナリーの常連さんとは、よくそういう会話をさせてもらっています。

 

気候変動とワインのヴィンテージ

ただ、最近はこの「表」と「裏」のサイクルが崩れつつあるとも感じます。気候変動の影響で、日本中がありえないくらい暑くなっていますよね。これによって、自然界の正常なサイクルが壊れてしまっているような……。

表も裏も関係なく、丁寧に育てたぶどうが収穫直前に突然のゲリラ豪雨でやられてしまったりといったことも以前より多く起きるようになってしまいました。その一方で、昨年2023年は表も表、超グレートヴィンテージ。いい年も悪い年もあるわけですが、気候変動の影響で、今年はどうなるのかがさっぱり読めない状態になってしまっています。

2024年は表が出るか、裏が出るか、早稲品種の生食用ぶどうが実りの時を迎えた今でも、最終的な見通しはまだわかりません。ですが、いずれにしてもその年にできるぶどうに感謝して、おいしくなるように心をこめてワイン造りをしたいと思いますので、2024ヴィンテージのワインたちも、どうぞお楽しみに!

 

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