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「種なし」より甘い!? 栽培家が教える「種ありぶどう」の魅力

  • ぶどうコラム

「種なしぶどう」と「種ありぶどう」の違い

以前はぶどうといえば中に種があるのが当たり前でしたが、近年では種なしぶどうが人気を集め、今やスーパーなどではむしろ「種なし」が当たり前になってきています。たしかに、食べたあとで口から種を取り出す必要がないし、種なしのほうが食べるのがラクですよね。それもあって「種なししか買わない」という人も中にはいます。

しかし、「種ありには種ありの魅力があるんですよ」と語るのは、やまふじぶどう園の栽培担当・山藤猛。

「実は、種あり・種なしで比較した場合、種ありのぶどうのほうが糖度が高く、酸味が少ない傾向があるんです。食感も多少違って、種ありのほうが柔らかくなりやすい。たとえばシャインマスカットを例に挙げれば、種なしのシャインマスカットよりも、種ありのシャインマスカットのほうが味はおいしいと思います」(山藤、以下同)

 

「種なしぶどう」を生む「ジベレリン処理」とは?

そもそもぶどうは、植物ホルモンである「ジベレリン液」にぶどうの房を浸す「ジベレリン処理」を施すことで“種なし”になります。

このジベレリン処理を行うことで、品種によっては種ありに対して糖度が下がったり、ぶどうの粒がつきすぎてしまうということが起こり得るのです。

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もちろん、種なしにしたことで味わいが低下するといったことがないように、ぶどう栽培の現場では摘粒(ぶどうの粒が一房に付き過ぎないように行う間引き作業)などの作業を行い、品質を高めています。そして、品種によってはジベレリン処理の影響が出ないものもあるようです。

「ぶどうの中には『種あり』で売られているものもありますが、それはジベレリン処理に向いていない品種である場合もあるんです。『種あり』はちょっと食べにくいかもしれませんが、甘くておいしいので、ぜひ試してもらいたいです」

 

「種ありぶどう」にはどんな品種がある?

やまふじぶどう園で栽培されている品種でいえば、「多摩ゆたか」や「マスカット・ベーリーA」などが“種あり”ぶどう。

マスカット・ベーリーA

やまふじぶどう園のぶどうは残留農薬ゼロなので、洗わず皮ごと食べられますが、皮同様、実は種も食べても問題なし。マスカット・ベーリーAの種はクルミのような独特のポリポリした食感があり、これはこれで乙なもの。種ごとミキサーにかけてジュースにするのもおいしいです。

というわけで、実は種ありぶどうには種なしぶどうにはない魅力もあるんです! ついつい「種なし」を選びたくなってしまいますが、たまには「種あり」も選んでみると、また違うぶどうの魅力に気づけるかもしれませんよ!

 

2024年のぶどう摘み取りは10月14日まで! ぜひやまふじぶどう園にお越しください(雨天の場合、積取り可能な品種が制限される可能性があります)

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