やまふじのSDGs

SDGs

代々つづく「当たり前」を
100年先までつなげるために。
やまふじぶどう園のSDGsへの
取り組み

やまふじぶどう園の「当たり前」
ここでは、私たちのSDGsへの取り組みをご紹介したいと思います。

とはいえ、なにか特別なことをしているのかといえば、実際のところそんなことはありません。
ただ、この土地に先祖代々受け継がれてきた畑を、次の世代、その次の世代へとつなげていく。地域の方々が集まれる場所にする。そのためのぶどう園の日々の営みは、SDGsの17の目標と重なる部分が多くあると感じています。

順不同とはなりますが、私たちが「当たり前」のこととして行なっている、SDGsへの取り組みを一部ご紹介したいと思います。

目標15 陸の豊かさを守ろう

目標15|
陸の豊かさを守ろう

目標15 陸の豊かさを守ろう

私たちの畑にはとてもたくさんの生き物たちが暮らしています。猪がいて、鹿がいて、蛇もいれば、熊もいます。そしてもちろん蜂や、たくさんの虫たちもいます。
中にはぶどう畑にとってありがたくない生き物もいますが、それらが暮らす山の環境を、やまふじぶどう園ではこれまでも、これからも大切にしていきます。
昨年は、ぶどう畑の片隅でキジが卵を産み、やがてかわいい雛たちが孵(かえ)りました。食欲旺盛な雛鳥たちは、もしかしたらぶどうの木にとってはありがたくない虫たちを食べてくれていたかもしれません。
動物たちも鳥たちも、そしてもちろん虫たちも、みんなこの土地の住人であり、この場所で生態系を築いています。彼らがこの先も生きていける環境を守ることは、私たちの大事な、当たり前の取り組みのひとつです。

目標12 つくる責任 つかう責任

目標12|
つくる責任 つかう責任

目標12 つくる責任 つかう責任

SDGsの目標12は、「生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、責任ある行動をとろう」(ユニセフ『SDGs CLUB』より)というものです。
そのなかの項目のひとつに「大気や水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす」というものがあります。
これも私たちがずっと取り組んでいること。牧場からもらってきた牛糞を肥料にし、そのお礼に牛さんたちには私たちのワインのために絞ったぶどうの皮を食べてもらいます。
ほかにも、搾った皮をクラフトビールの風味付けに使ってもらったり、布の染料に使ってもらったりと、さまざまな試みをしています。
また、私たちのぶどう園は赤土で粘土質の水はけが悪い土壌。切ったぶどうの木の枝を土に埋めて、水はけをよくするために使うことも多々あります。
SDGsの目標が掲げられるずっと前から、私たち日本人は、「もったいない」の精神のもと、捨てるものをなるべく減らせるよう努力してきました。
代々そうしてきたんだから、私たちもそうする。それも、私たちの“当たり前”です。
当園のぶどうは、毎年8月の食べごろには残留農薬0という数値が示されています。自信をもって、洗わずにそのまま、自分たちの子どもにもりもり食べさせられます。
自分の子どもに食べさせられない、食べさせたくないものは作らない。それもまた、当たり前のこと。そう思って、日々の畑仕事をしています。私たちの口に入れるもの、私たちの体をつくるものが、ずっと安全であるように。

目標11 住み続けられるまちづくりを

目標11|
住み続けられる
まちづくりを

目標11 住み続けられるまちづくりを

目標11は“だれもがずっと安全に暮らせて、災害にも強いまちをつくろう”というものです。
2024年1月1日に起きた能登半島沖地震。この日、私たちのぶどう園がある富山県富山市も大きな揺れに見舞われました。高台への避難勧告が出されるなか、多くの方が避難場所として私たちのブドウ園にやってきました
SNSを通じて「困っている人は来てください」と呼びかけ、急遽併設のカフェをオープンして炊き出しのカレーライスを振る舞い、トイレを開放して、自宅に戻るのが不安な方にはありったけの毛布や布団を出して泊まっていただきました
困ったときはお互いさまです。これもやっぱり、当たり前のことです
災害で命の危険にさらされる人が一人でも少なくなるように。そして、災害時に弱い立場になってしまう女性たち、子どもたち、お年寄りのみなさんへも十分な配慮が行き届くように
ぶどう園が、災害時に地域住民のみなさんのお役に立てる場所であり続けられるように、努力を続けていきます。

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

目標5|
ジェンダー平等を
実現しよう

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

“男女平等を実現し、すべての女性と女の子の能力を伸ばし可能性を広げよう”というのがSDGsの目標5です。
2020年からのコロナ禍で、私たちの身の回りの女性にとって大きな問題となっていたのが、保育園が閉鎖されたこと。小学校がいきなり休校になったこと。多くの女性たちが、結果的に仕事に行けなくなることでした。
そこで私たちは、ぶどう園のカフェをそういった方のために無償で開放しました。子どもたちが安心して過ごせるように目を配り、みんなで宿題をしたりボードゲームをしたりして過ごしました。
都会と比べて、地方ではまだまだ女性が働く環境は十分に整っていませんし、ジェンダーロール(性別による役割の固定)の概念も根強く残っています。
私たちのぶどう園では、シングルマザーの方でものびのび働けるように、事情に合わせて始業を臨機応変に遅らせたり、急なお休みにも対応できるようにしています。そうでなければ、子どもを育てながら働くのは大変です。
子どもは地域のみんなで育てるもの。今ではもしかしたら時代遅れに聞こえるかもしれませんが、これも当たり前であってほしいと、私たちは思っています。

目標8 働きがいも経済成長も

目標8|
働きがいも経済成長も

目標8 働きがいも経済成長も

私たちの身の回りを見ていると、介護をきっかけに仕事を諦める人が少なくないことに気が付きます。
働く意欲や能力があるのに、介護があるからと仕事を諦めるのはもったいないこと。なので、介護でどうしても早く帰宅しなければならない、突発的に休まなければならないといったスタッフの要望に、私たちは最大限配慮しています。
また、私たちのぶどう園には、若い人もいますし、定年後に働きに来ている方もいます。年齢や性別で働き方に理不尽な制限が加わることがないように。できることを最大限やっていきたいと考えています。
そして今、私たちは地域振興の一環として宿泊施設の建設を進めています。それによって地域の冬場の雇用を創出したい。計画には、そんな思いも込められています。
介護中の方、育児中の方、大歓迎です。ぜひ、富山に働きにいらしてください!

目標3 すべての人に健康と福祉を

目標3|
すべての人に
健康と福祉を

目標3 すべての人に健康と福祉を

やまふじぶどう園には、「カウンセリングルームやまふじ」として、臨床心理士/公認心理師が常駐しています。
生きづらさ、といった言葉が一般化した現代において、メンタルヘルスケアは喫緊の課題です。これだけのストレス社会です。こうしている今も、誰かに救いの手を伸ばしてもらいたい、そう感じている人が多くいらっしゃると思います。
それでもやっぱり、心療内科、精神科を受診することに心理的ハードルを感じてしまう方もまた多くいます。
そんな方に、ブドウ園が心安らげる場であってほしい。病院に行くほどではない(とご自身では思い込んでいる)けれど、やっぱり誰かに、できれば専門家に話を聞いてもらいたい。
そんなふうに思う方は、きっと多いのではないでしょうか。見過ごされがちな心の健康を取り戻す、そのお手伝いをすることも私たちのミッションのひとつです。
専門の訓練を受け、守秘義務を守る専門家が私たちのぶどう園にはいます。深い悩みから恋愛相談まで、気軽にお越しくださいね。

次の100年、
その次の100年に向けて

1927年に拓かれた私たちの畑は、まだまだほんの100年しか歴史がありません。何百年も続くヨーロッパの畑に比べたら、まだまだひよっこです。
それでも、されど100年。この畑、この伝統を次の100年、そのまた次の100年へとつなげていく責任が、私たちにはあります。そのためにしている当たり前のことたち。それが、私たちのSDGsへの取り組みなのかもしれません。
SDGsの目標は17あり、そのうち私たちが取り組めるのは、今のところここで掲げた6個だけ。ほんの小さな取り組みに過ぎないかもしれないけれど、それを続けることで私たちのぶどう園が、大好きな地元・富山が、日本が、そして世界が、みんなにとって住み良い場所であり続ける助けになれるように。
これからも、私たちにできることを続けていきたいと思います。