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ホーライサンワイナリー「新酒 2024」テイスティングレポート

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ワインブロガー・ヒマワインさんがホーライサンワイナリーのワインをテイスティングレポート! 果たしてその味わいは?(以下、文章はヒマワインさん)

 

ホーライサンワイナリー「新酒 2024」とは?

ホーライサンワイナリーの「新酒」を飲んでみた。なんと36年前から毎年毎年造られているという、非常に長い伝統を誇るお酒で、いわば富山の秋の風物詩的存在のワインなのだそうだ。

ホーライサンワイナリー,新酒,2024

一体どんな味わいなのかを語る前に、まずはその外観から眺めていこう。ボトルは日本ワインに多い720ml入りボトルではなく、細身な500ml入りボトルで、スクリューキャップが採用されている。

近年コンビニワインなどでも採用が広がっている印象の500mlのスクリューキャップ、気軽に買えて、気軽に開けられ、気軽に保存もできるので、個人的には好印象。

ホーライサンワイナリー, 新酒,2024

ちなみにキャップには帯封が貼られ、そこにはシリアルナンバー入りで、特別感もある。(私の手元には『3549番』が来ました)

 

ホーライサンワイナリー「新酒2024」のぶどう品種

品種はマスカット・ベーリーAで、アルコール度数は11度。ぶどうは石川県の契約農家さんからのぶどうだそうで、聞けば先代からの長い付き合いなのだそう。当然樹齢も高く、質の良い果実が毎年供給されてくるのだ。

ホーライサンワイナリーは「やまふじぶどう園」と一体のワイナリーであり、自社ぶどうを中心にワイン造りを行っている。我々愛好家は「自社ぶどう」というとイコール良いものと条件反射で思いがちだし、実際そうだと思うのだが、ワイナリーと信頼関係で結ばれた契約農家さんがプロフェッショナルの気概とともに栽培するぶどうを使ったワインもまたいいものだ。

マスカット・ベーリーAは新潟県で生まれた品種で、北陸の地と気候・風土の相性がいいと言われる。そして、誕生した1927年はホーライサンワイナリーの創業年と同じの“同い年”。ホーライサンワイナリーとマスカット・ベーリーAは、なにかと縁があるのだ。

 

ホーライサンワイナリー「新酒2024」を飲んでみた

さて、いざグラスに注いで見ると、新酒ながら色もしっかりと濃く、いかにも「ぶどうを絞りました」という赤紫色をしている。香りもハッキリとした輪郭を持っていて、まず来るのはフレッシュなベリーの香り。次いで赤紫蘇のような爽やかな酸味を予感させる香り。さらにブランデーに漬け込んだレーズンのような甘みを感じる香りも微かにする。

ホーライサンワイナリー, 新酒,2024

渋みは非常に穏やかで、ドライながらどこか郷愁を誘うような甘みも感じられ、キュッとした酸味も相まってすごく飲みやすいタイプだ。私は白菜と豚肉のお鍋、鶏肉とカシューナッツ炒め、焼いたシシャモといった、「ザ・普段の食事」というメニューと合わせたが、いずれも良く合った。焼き鳥でもお好み焼きでもハンバーグでも、あるいは大根おろしを添えた焼き魚でも、ぶり大根でも、つまりどんなおかずにも合いそう。

ホーライサンワイナリー, 新酒,2024

色合いこそ「赤ワイン」だが、味の方向性としてはロゼのような万能感。一皿と一杯を精密に対応させるペアリングではなくて、テーブルの中心にドン! と置いて、さまざまな料理に合わせてみんなでクピクピ飲む。そんなシチュエーションが思い浮かぶ。家族や仲間との何気ない食事こそがなにより特別で愛おしい。その中心にあるお酒だからこそ、帯に「しあわせの味」と書かれているのだろうか。

「今年の『新酒』が手に入ったから、久しぶりにみんなで集まって飲まない?」と古い友人たちに声をかけたくなるような、そんなワイン。まだ今年は2カ月残っているけれど、11月1日発売のこのワインを飲んで、ちょっと早めに2024年を振り返ってみるのも、悪くない時間になる気がする。

写真と文:ヒマワイン(@hima_wine)

 

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