「いつもの 白」(2024)テイスティングレポート
- ワイン
ワインブロガー・ヒマワインさんがホーライサンワイナリーの「ほしあつめ2022」をテイスティングレポート! 果たしてその味わいは?(以下、文章はヒマワインさん)
「いつもの 白」が2024ヴィンテージに
ホーライサンワイナリーの「いつもの 白」のヴィンテージが切り替わったので、早速飲ませていただいた。
切り替わったヴィンテージは「2024」。この記事を書いているのはボジョレー・ヌーボー解禁日直後の2024年11月下旬なので、タイミング的にはほぼ「新酒」と言っても良さそうなくらい、フレッシュなワインだ。(ちなみにやまふじぶどう園/ホーライサンワイナリーの『新酒』の発売日は毎年11月1日)
「いつもの 白」はどんなワインか?
ホーライサンワイナリー/やまふじぶどう園は赤を中心に造っているワイナリーで、両手の指では数え切れないほどの赤のラインナップに対し、白は片手で数えられるほどの種類しかない。
「いつもの 白」は甲州種のぶどうで造るワインだが、現行のラインナップのなかで甲州を使っているのはこの「いつもの 白」と、「うたたね」の2種だけ。「うたたね」は甘口のワインなので、甲州の辛口というとこの「いつもの 白」ただひとつで、それだけ“主力”という位置付けなのだ。
価格もワインリストの中でもっとも買いやすく、富山駅のお土産コーナーや、地元スーパーでも売られるなど、手に取りやすさもNO.1。
それだけに品質が問われる、それが「いつもの」というワインの宿命だ。そんな宿命を背負ったワイン、いざ心してテイスティングしていこう。
「いつもの 白」(2024)を飲んでみた
グラスに注いで飲んでみて驚いた。果実が分厚いのだ。甲州というと、ときに酸味が非常に強く果実が感じにくいものもあるが、「いつもの 白」はまずもって果実をしっかりと感じられる。
ヴィンテージの影響なのか、醸造所内での努力の賜物なのか、「甲州はさっぱり一辺倒ではない」ということを教えてくれるワインというのが第一印象。長期瓶熟成を経ているとかでもなく、数カ月前まではぶどうの樹の上でゆらゆら揺れていたとは思えぬ厚みのある味だ。
甲州らしい柚子のような酸味がありつつも、パイナップルのようなリッチな果実感が伴っており、さらには冷たく淹れた煎茶のような繊細な香りもある。
酸味だけでも、果実だけでもなく、このどこか複雑さを思わせる香りもあるので、食事にも合う。刺身からクリームシチューまで、要するになんにでも合いそう。
「いつもの 白」はホーライサンワイナリーのワインを色々飲ませてもらっている中でも好きなワインのひとつ。それだけに2024ヴィンテージを飲むのを楽しみにしていたのだが、私と同じように毎年このワインを楽しみにしている方にこうお伝えしたい。
「いつものように、今年の『いつもの』もおいしいですよ」と!
赤の「わるだくみ」もおいしいですよ!↓