ホーライサンワイナリー「たけなわ 2020」テイスティングレポート
- ワイン
ホーライサンワイナリー「たけなわ 2020」はどんなワインか
ホーライサンワイナリーの「たけなわ」を飲んだ。ヴィンテージは2020。ホーライサンワイナリーならではの、飲み頃まで熟成させてリリースを迎えたワインだ。
さて、ホーライサンワイナリーには非常に大きな特徴がある。「赤」に非常に強いワイナリーだということだ。
年間4万本ほどという生産本数にたいして15種類前後とラインナップの幅は非常に広い。そのうち白は5種類前後で、残りは赤ワイン、あるいはロゼだ。
そして、10数種類もあるのであればさぞかし多くの赤品種が栽培されているのだろうと思いきやさにあらずで、使われているのはなんと主には2種類。すなわちマスカット・ベーリーAと、メルローだ。
この2品種を、熟成容器を変えたり、他品種を混ぜたり、長期熟成させたりさせなかったり、ロゼにしてみたりと、手を変え品を変えて味わいに変化をもたせ、10種類以上の商品へと落とし込んでいるのだ。(そして全部たしかに味わいが異なるからすごい)
たとえばこんな感じ。
品種:マスカットベーリーA or メルロー
ブレンド:行う or 行わない
色 :赤 or ロゼ
熟成:木樽 or ステンレスタンク
瓶熟:短期 or 長期
これらの選択肢の組み合わせだけでも容易に10種類を超えてくる。なので、ホーライサンワイナリーの売店で赤ワインを選ぶ際は、品種はなにで、熟成はどのように行われているのかをチェックすると、好みの味わいにたどりつけるはずだ。以上ホーライサンワイナリー豆知識でした。
ホーライサンワイナリー「たけなわ 2020」の味わい
今回飲んだ「たけなわ2020」は、代表品種のひとつ・メルローを用いて、オークチップ浸漬を行なってウッディなニュアンスをつけた赤ワイン。
オークチップ浸漬とは、オーク樽にワインを入れて熟成させるかわりに、通常のタンクにオークのチップ(木片)を入れて、木のニュアンスをワインに移す醸造テクニックのことで、リッチな樽の味わいを持たせつつ、価格は安く抑えることができる。
ワイン名の「たけなわ」は、このワインを飲んでいるうちに話に花が咲き、気がついたら宴もたけなわとなっていた……というエピソードから命名されたと聞く。実際に飲んでみても、リッチな木の香りがメルローの豊満な果実味を包み込み、冬の夜に煮込み料理などを楽しみながら飲みたくなるような、濃厚なのに後を引く味わい。
オークチップ浸漬はオークのニュアンスが強く出るため、ワイン自体に強さがないとワインが負けてしまいがち。しかし、収穫から数年を経てなおワインは元気そのもので、木のニュアンスと調和し、互いを引き立て合っている。2020年のメルローは、とても健全な状態で収穫されたんだろうな、そんなふうに思えてくる。
ホーライサンワイナリー自慢のメルロー、ぜひお試しあれ。
「たけなわ2020」は、やまふじぶどう園のショップで購入可能です↓